Saturday Night Fever

1977

レンタル・ブルーレイでSaturday Night Feverを拝見しました。
Blow OutPulp Fictionジョン・トラボルタが主演。
理屈っぽい、少し虚言癖がありそうだけど心優しい女性をKaren Lynn Gorneyが好演。
一種の青春群像譚としてRumble Fishのように行き場のない鬱屈の不穏な発露を抱く。孤独も描くが、Taxi Driverのような、狂気を孕んで研ぎ澄まされた寂しさは描かれない。
主人公は、奔放に振る舞いながらも、何処か「わかりきったような」表情を仄めかす。死んでしまった友人に対して「時として人は自殺しなくても、自殺してしまうものなんだ」みたいなことを云うが、彼のどこか取ってつけたような成熟には、ジュリアン・デュビビエの映画La fin du jourの中で縦横無尽に走り回って死を意識するミシェル・シモンのような、若さ故の一種の悲しい極端さのようなものの気配はない。
極端で破滅的な自由を希求するほど若くもなく、さりとてestablishmentに迎合するしなやかさも持ち合わせていない主人公が抱える、どこまでも中途半端な自意識がニューヨークの地下鉄を彷徨う・・・
ディスコの艶かしいリズムとは裏腹に、何処か疲れ切ったような彼の表情が、とても印象的な作品でした。
この作品の、若さゆえの軽すぎる死というイメージが、若い頃に読んだグレイス・ペイリーの短編に出てくる電車でふざけて死んでしまう若者につながっています。年代的にほとんど同じで、たまたま同じ国で作られたというだけで、その時代の同じ空気を作品の中に取り込むことで、こんなにも鮮やかにイメージがシンクロするなんて、ちょっと不思議です。

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