ミニオンズ・フィーバー 交換可能な非個性

2022

みなとみらいの映画館で、ミニオンの新作を観てきました!コロナで1年遅れた公開でしたが、待った甲斐がある良作でした!ミニオンのシリーズはぜんぶ大好きですが、なかでも今回の新作が、いちばん意味わからなくて好きかも。。。(笑)次回作も決まっているそうで、ほんとうに楽しみですね。ミニオンのすごいところは、ミッキーやマリオ、鬼太郎、スポンジボブなど他の個性的なキャラクターと違って、没個性的であるところだと思います。何匹 - 何羽、何人、何ミニオン? 単位は判らないが、ともかく - ミニオンが大勢いる中で、ミニオンなるものは非ミニオン(人間、動物、昆虫、鳥)と比較すると圧倒的に異なるが、併し同じミニオンなるもの同士の「個」の識別については、髪型とか太り具合とか身長、眼の感じなどで区別するしかない。そういった意味で、世界中のキャラクターもののなかで、これほどに没個性的なキャラクターはいるでしょうか。レゴのミニフィグのように、ひとりひとりは、基本的な交換可能な無記号性によって曖昧にしか成立していないが、しかし、その他のデティールによって、個性が立ち顕れてくる。デティールが、そのデティール自体の本質的な非記号性を、アブストラクトな全体個の非記号性と瞬時に倒置しながら、存在そのものの非交換的な存在として、鮮やかに即座に立ち上がる世界は、どこか現代的で面白いです。現代社会の生きにくさと、ミニオンの個性の弱さは繋がっていて、だからこそ彼らが - これらが? - ミニオンたちが、わけもわからず活躍して、結果として図らずも、すごいことになってしまうことを、小生はきっと期待してしまうのではないかなと思います。

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