プラダを着た悪魔

2006

今日は、『プラダを着た悪魔』という2006年の映画を拝見しました。
主人公の女性は、服への憧れよりも、実務的でドライで強い女性としての生き方をする自分への憧れのようなものが強く、服さえも、そうした自己実現の手段に他ならないといった、目的ありきの世界観の持ち主のようでした。この主人公の女性にとっては、美しい洋服は目的では無くて、新しい自分になるための、手段でしかありません。
私は、人生において、あまりそういう考え方をしたことがないので、この主人公の女性にあまり共感できませんでした。しかし、世の中の多くの人々が、彼女と同じような考え方をしていることは、理解しているつもりです。
何かを手段にして、もっと大きな目的へ辿り着きたい、みたいな建設的なことを何も考えられないダメ人間の私としては、もっと、服自体への憧れみたいなものが強く描かれていれば、私にも共感できる部分があって良かったかなと思います。
ともあれ、退屈して拝見したわけではありません。たいへんテンポが良く、飽きずに眺められる作品でした。
主人公のアン・ハサウェイは、とても綺麗な方でした。あまり共感できない部分が多い作品だったけれど、まあ、彼女も文句なしに綺麗だし、全体的に華やかな絵柄なので、観ていて退屈な作品ということは、いっさい無かったです。
また、私は若い頃から、ウディ・アレン監督の大ファンなので、メリル・ストリープの出演を、とても懐かしく感じました。若い頃、1979年の名作『マンハッタン』を何度も繰り返し観ていたのですが、脇役だった彼女の表情や陰影はとても印象的で、よく覚えています。
なんとなく、私と他の人との違いを考えるきっかけになったので、今回、この作品を観られて良かったなと思っています。「人は人でしかない、わかりきった現象でしかない、誰もが同じ世界の、ひとつの側面に過ぎないし、あなたのゴールは私には見えている」みたいな感じ方とは、たとえ負ける運命と知っていても、命を懸けて全身全霊で戦ってゆきたいです。

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