全編を包む陰鬱なムードには、どこかコミカルで整然とした明るさが仄見えて、なにか憎めない犯人を軸に、からりとしたエンターテイメントの作品でありました。
プロデューサーを兼ねて、主演したケヴィン・コスナーは表向き、成功した陶芸が趣味の人当りの好いビジネスマンの役柄で、清潔感と堂々とした嫌みのない雰囲気が、役柄にとても合っていました。
監督のBruce A.Evansとともに彼自身、インディーズ映画の撮り方で自由に本作を撮りたかったようです。その試みは成功していたと思います。飾らない淡々とした語り口、良い意味でクセのない作品というか、薄味の、サイズが小さい感じの作品に仕上がっており、心地良かったです。
コメント