John Wick: Chapter 3 – Parabellum
アクション・シーン満載で悪くないのですが、第一作がいちばん面白くて、第二作もそうとう面白かったが、第三作の本作は、ちょっと期待外れでした。
1、2では重厚なストーリーのなかに、カンフー映画やマフィア映画の伝統への回帰のような趣味的な味付けが、スパイスとして控えめに配されているから非常に面白かったのに、本作は、自己言及的な賑やかさに走りすぎているように思えました。
ナイフ、乗馬、拳銃のみならずベルト・ヌンチャクまで、なんでもありな展開に、ちょっと食傷気味です。
3において、少し日本の要素が入っているのですが、キル・ビルを思わせる、笑えるのか笑えないのかよくわからない微妙な描写が多くて、なかなかのものでした。いまいち発音が悪い日本語のセリフ。寿司屋のカウンターに猫が寝ていて、板前が魚の切身をあげている。寿司屋のカウンターが、ラーメン屋みたいな屋台のなかに入っている。そうとう奇妙なんだけど、なんでおかしいのか一つ一つ理論的に説明しようとしても、できない。さあ何処がおかしいか説明しようと思うような、微妙な違和感ではないです。すべてが違うから、はなから諦めてしまう。
既に撮影が始まっている4では、さらに日本要素が増し、日本に来て、力士と、Hiroyuki Sandaが出るらしく、観る前から、4も、観るのがちょっと怖いなと思っています。もちろん、いちおう観るけれど。
しかしCG感が全くないアクション・シーンの数々は、なかなか素晴らしく、特にガラスに刀が当たった時の引っ掻き傷とか、ナイフを投げまくるシーンとか、ニューヨークの下町での乗馬シーンなんか、どうやって撮っているんだろうと思いながら拝見していました。
本作で久々に拝見したハル・ベリーのフィルモグラフィーをちょっと眺めていて、「ソード・フィッシュ」という、小生の中で強い印象に残っているクライム・サスペンスが、もう20年以前前の映画で在るということに衝撃を受けました。2、3年前の映画のような気がします。
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