海外で少額の強盗にあいました

日記

アジアの某国で少額の強盗にあったので、注意喚起のため、おおまかな概要を記します。国名は伏せます。

前日譚

詐欺に遭う前日、人生で初めてカジノで遊びました。10万円でバイインしたポーカーのキャッシュゲームで26万円ほど勝ちました。(カジノからの出金額は入金分を含め日本円で36万円ほど)通貨が不安定な国なので、空港で全額を米ドルに替えられるか不安があり、街の両替屋に尋ねたが、怪しげな店ばかりで英語も碌に通じなかったりして、心配である。ホテルのWi-Fiで、遊んでいたカジノの中で両替できる、レートは国内でも随一の良心的なレートであるとの情報をネットで見て、空港よりは多少、レートが悪そうだけれども、出国直前まで大量の現地通貨を持っているのは、嫌だな、最終日、何かで替えられないリスクが高すぎると判断し、翌日に、カジノへ替えに行くことにしました。カジノまではホテルから徒歩10分、翌日、歩いて向かいます。

当日

警戒はしていたので、財布には3万円分くらいの小額紙幣が中心の現地通貨と、前日に作ったばかりの現地カジノの会員証だけをいれ、クレジットカード、パスポートはホテルの金庫に入れました。そうしてポシェットに両替したい34万円ほどを入れてカジノに向かいました。

声掛け

ひどくフランクな調子で、へい、日本人ですか、〇〇(その国)はどうですか、英語で話しかけてくる、小綺麗な青年。35歳の小生よりも5歳ほど年下だとおもう。短髪黒髪で髭もない。小綺麗なスニーカー、シティズンの腕時計。

私は適当に相槌を打ちながらカジノへ歩いて向かっていました。青年の話「私はそこの銀行で働いている」「日本に行ったことがある、東京、大阪」「私は向こうに車を停めてある、途中まで一緒だ、この信号は危ない、あっちの方が安全だよ」私は単に道すがら、自分が行ったことのある好きな異国の旅行者に、話しかけたいだけの、話好きの青年を相手にしているつもりだった。テゥクテゥクの運転手には何度も声をかけられうんざりしていたので、勧誘ではないフレンドリーの人もいるんだなという印象。

最初の嘘

「ところで今日はどこへ」と青年。

小生「そこのカジノへ。」「カジノは、今日は休みだよ。空いてない」「え、そうなの」「あっちにカジノがある、あっちは開いている、案内しよう、すぐそこだよ」「しかし私は、(元々行こうとしていたカジノの)会員証しか持っていない、だから今日はやめるよ、ありがとう」「いやいや、すぐそこだから、それに、経営者が同じだから、同じ会員証が使えるよ。知らないの、〇〇という経営者、ここでは有名人なんだよ」「そうなんだ、では、案内してもらおうかな。ありがとう」(着いていってしまう私)
男の言うことは全て嘘。私が行こうとしていたカジノは、普通に営業していました。しかし、そのことを私が知るのは、1.5時間後になります。

男に宝石屋に連れて行かれる

「すぐそこだよ、テゥクテゥクに乗ろう、案内して、私は戻るから」と青年。「ありがとう」と私。現地では、タクシーよりも安いテゥクテゥクという、エンジン付きの籠馬車みたいな乗り物が主流でした。私は、単に、彼が日本が好きで、案内したいだけだと思った。私は今、5分くらいテゥクテゥクで乗車した後で、彼に彼の帰りの分の料金を含め、600円くらい分の紙幣を渡して、開いているカジノの前で降ろして貰えば良いとアホなことを考えながら、テゥクテゥクに見知らぬ男と同乗している。。。

男「今日は、祝日だからカジノのすぐ隣の宝石屋でセールがある。今日だけ50%オフ、一年の中で今日だけだ。ちょっと寄ってもいいかい、買いたい宝石がある」「別にいいけど」宝石屋で男が青い宝石を1万円ほどで買っている横で私はブルー・サファイアの15000円のネックレスを「女の子へのプレゼントに」勧められました。「日本で買うと5倍はする、こちらの定価からも今日は半額だ」と、スーツの店員に勧められる。私はセールのことは信じていました。隣で男が買っていたから単にここに来たいこともあって同乗してくれたのと思っていた。しかし、自分としてはカルティエのリングやIWCの時計のような、シンプルなデザインが好みだったから、見せられたネックレスには、たとえ中の石が本物だとしても、興味がなかったため、ずっと断っていると、15000円のネックレスは途中で13000円になり、最後には11000円くらいになりました。それでも5分くらいずっと断っていると、別に不快そうな様子を示すこともなく、そうですか。という感じで何事もなく店を出る。再び小綺麗な男と共にテゥクテゥクに同乗する私。

いま思えばこの時サファイアを買わなかったのは不幸中の幸い。。。しかしこの後に悲劇が。。。

カジノに到着

この時点では何も疑っていなかった。私は、カジノが休みだと親切にも教えてくれた男が、自分が欲しい宝石を買う道すがら、ついでに開いているカジノへ連れていってくれるだけの話だと思っていました。カジノについて、降りる時、私は600円くらい渡せば良いと考えていた。相場はそれくらいだったと思います。しかし1000円だと少し多すぎる、500円でも足りるだろうけれど、気持ちで600円くらい渡せばいいかなという感覚でした。私が財布から600円を取り出そうとすると、それじゃない、黄色い紙幣はあるか。。。私は、彼らが600円ともう一枚、黄色い小額紙幣を要請しているのだと思い、財布の中に指を入れて彼らの目の前で探りました。

強盗

これだよこれ、いちばん奥にあった高額紙幣(日本円で2500円くらいの紙幣です)を見つけた運転手が、すごい勢いで自分で私の財布に指を突っ込んで、高額紙幣を何枚も抜き取ってゆく。身体的暴力ではありませんが、他人の財布に無理やり指を突っ込むのだから、これは強盗です。What are you doing?と5年ほど出したことのない大声で叫ぶ私、Hey, what are you doing? Give me back my money. I’ll pay you the right price, so give me back!!
ここで、ちょっと面白いことが起きたのですが、私の予想外に大きな声に驚いたのか、強盗が紙幣を2枚だけ返却してきました。海外で、強盗2人組から、たった1人で5000円を取り返す、丸腰の猫背の陰キャ小生。私の隣に座っている男が、「ここまで二人で乗ってきたから、一人で乗るよりも高いんだ、あと5000円足りないよ」
この時、小生は、完全に、この運転手と、このシチズン野郎はグルだ、やられた、と気づきました。私が金を返せと言い続けているのを見て、それ以上は諦めたらしく、シチズン野郎が、「わかった、あとは俺が払うよ」と自分の財布から2500円の紙幣を一枚、運転手に渡しました。どうせこいつらグルだから、後で山分けするに決まっているのだが。
私は、これ以上、粘っても、すでに抜き取られたお金は、返ってこないと判断しました。それよりも、ここで粘ることで、向こうもヒートアップして、強気になり、ポシェットの36万円を全て取られるリスク、錆びついた薄汚いナイフで刺されるリスク、安い拳銃で撃ち殺されるリスクの方が遥かに高いと判断し、うなだれて、テゥクテゥクをおりました。シチズン野郎も私の後から降りる。エンジン音を響かせて、夕陽の向こうへ走り去ってゆくテゥクテゥク。

握手を求めてくる礼儀正しい強盗

シチズン野郎「ほら、ここがカジノだよ。その会員証で入れるからね。どうしたんだい、二人で乗ったから少し高かったんだよ、二人で払ったんだから、50/50だろう。僕たちの間には何もないよね、そうだろう」手を差し出してくる。
私は手を払いのける動作をして、男に背を向けてカジノの方へ歩き始めました。
10歩ほど歩いて振り向くと、男が離れてゆく後ろ姿が見えました。この後運転手と合流して利益を折半するのでしょう。最初に声をかけた男と、宝石屋と、テゥクテゥクの運転手が全員グルで、旅行者から数万円の金、私もそうでしたが、警察に行ったりするほどの金額ではなく、泣き寝入りする程度の金額を捲き上げる手口でしょう。

強盗の後で

路上に佇み椰子の木のあわいに揺れている異国の夕陽を見つめながら、もう二度と人を信じないと、まだ青い月に誓いつつ、溢れ出してきそうな涙の行方を決め兼ねていると、テゥクテゥクのおじちゃんが話しかけてきた。流石に二台連続で詐欺に遭うほど、引きが強くないことを祈りながら、目の前の知らないカジノへ入る気力どころか、近くの大通りまで歩いてタクシーを探しに行く気力もなく、私が自分が泊まっているホテルのエリアをGoogle マップで見せると、1000円で行けると、言われる。呆然としながら、500円に値切る私。800円で合意して乗車する。本当はタクシーみたいにメーター回すのが正規みたいですが、ショックすぎてそんなこと思う余裕もなく。。。この時、どうせ元々行こうとしたカジノ、開いているのだろうなと思い、「失礼、やはり行き先を変更したい、〇〇カジノ、知ってるか」「ああ、知っているよ」「では〇〇カジノへ頼む。(ホテルとほとんど距離変わらないため)同じ金額でいいか」「〇〇カジノだと、900円かかるよ」(はあ)ため息をつく私「いいよそれで、お願いします」

カジノの前にとまり、1000円渡して、”Keep your change”と言ったが、英語が通じず、100円返される私。言い直すのも面倒なので、そのままポケットに100円入れる。

カジノで無料のコカコーラ2杯いっきに飲み、ちょっと休憩した後で、昨日ポーカーで勝った現地通貨を米ドルに両替したいと告げると快く応じてくれた。歩いて帰ろうとすると呼び止められ、無料のタクシーをホテルまで手配してくれました。無料のタクシーでホテルへ。。。

被害額の確認

現地通貨のやり取りを全てメモしてあったので、被害額は2500円紙幣5枚と確認できました。12500円、まあ現地通貨が弱すぎて、両替手数料が高いんで13000円くらいですかね。
テゥクテゥクで、最初、怒鳴りこそしたものの、しつこく抵抗しなかったのは、あの時点での最善手だったと今でも思います。
皆様はどう思われますか。

教訓

最後まで、お読みくださり、ありがとうございました。最後までお読みくださった優しい皆様に、今回の詐欺強盗で、小生が得た教訓をシェアします。教訓。
知らない人と一緒に、テゥクテゥクに乗ってはいけません。たとえその人が、自分が行こうとした施設が休みだと教えてくれる、親切な人であっても。

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