イカゲーム ファン・ドンヒョク監督

2021

みなさんこんにちは。先日は全世界で大ヒット中の韓ドラ「イカゲーム」を拝見しました。小生は2日でぜんぶ観終わりました。

そうとう強気で孤独感の強い脱北者の女性を演じたHoYeon Jungは、他人を寄せ付けない雰囲気で好演。微かに見せる躊躇や不安の蔭が一瞬、隠そうとしても仄見える瞬間の視線が印象的です。

abusive fatherを殺害して刑務所から出てきたばかりであるという女性、どこか空想的なというか、内省的というか、むしろ逃避的な雰囲気の漂う、Lee Yoo-mi は、悲しい役柄ながら、とても魅力的な雰囲気で、かわいかったです。他の出演作も、ぜひ拝見してみたいです。

お人好しの主人公は、Lee Jung-jaeが演じられています。いつも説得力に欠ける弱気さを隠せないけれど、いつだって誠実なところがあって憎めず、最後の瞬間まで、果てのない慾望よりも寧ろ人間らしさを希求しようとする健気な心根が、機能し得ない実直な正義を希求する、abortive 理念のような位置づけになっていて、とても印象的でした。

暴力的な悪役は、Heo Sung-taeで、アクの強いキャラクターが、とても印象的です。おぞましいtatooが首にあって凄いけれど、はったりを云いながら、どこかで理路整然と考えているようなところが、丁寧に描き込まれています。

嘘くさい色味のポップカルチャーの、空虚な引用といった風貌の、狙い澄ましたチープな色使いは、Kaiji とか、ライアーゲームとか、As the Gods Will などといった作品を彷彿とさせ、現代社会の虚無を仄めかしています。

主人公には、別れた妻との娘という、大きな存在が描かれています。それ故に護るべきものが自分ではなく、他者ということでゲームの包含する矛盾が増幅し、とりもなおさずその不協和音は、この社会が含蓄する矛盾と共鳴し、全世界の視聴者の心をとらえたのだと思います。

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