Seven David Fincher

映画

今回はデヴィット・フィンチャー監督のセブンという映画を再見しました。再見といっても前回、観たのは15年以上前になるので、殆ど初見のような気持ちです。
ブラッド・ピットモーガン・フリーマンにコーヒーを渡そうとして、「要らない」と云われて、入口の警備係に渡すシーンが、二人の温度差があって、私は大好きなシーンです。ブラッド・ピットのほうは、まだ職場の雰囲気とか、人間関係というか、自分の隣の人に、少し心遣いを送るということを大切にしたいと思っている。一方、その町の厭な部分の空気をたっぷりと吸って、酸いも甘いも嚙み分けた長い警官生活に、締結の視線を送りながら過ごすモーガン・フリーマンは、そういう細やかな気遣いのようなものはただ煩いだけだと思っている。コーヒーを断られた瞬間のブラッド・ピットの表情がなんとも云えず良かったです。特に表情を強調した演技をしているわけでもないのですが、それでもその場のawkwardな心情を画面に溢れさせるブラッド・ピットの演技に脱帽しました。
七つの大罪を絡めたストーリーがダンテのDivine Comedyに絡んでくるので、その小説の重要な部分をさっと理解するモーガン・フリーマンの知性と、途中で読むのを諦めたブラッド・ピットの若さ、せっかちさのようなものの対比が面白かったです。
その図書館で仲間の警官は勉強や読書などせず、ポーカーに興じているという、人々の営みを自然に描いた感じも良かったです。町の中に自然に溶け込むポーカーというゲームに人々が喜びを見出す風景は、じつに美しいものです。
全編とおしてデヴィット・フィンチャー監督らしい重厚でダークな雰囲気を堪能しました。この監督の作品が小生はけっこう好きですが、まだ何本か未見の作品があったと思うので、そのうち観てみようと思っています。

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