全員死刑
- 小林勇貴監督 2017 つぶあん的評価 35
内容は面白いのだが、小林監督には、ロジャー・コーマン監督みたいな、無邪気な、子供っぽい、洒落たセンスを感じるのに、実際の事件を基にしているのにも関わらず、犯人たちの心の葛藤にはあまり視線が向いておらず、残念に感じられました。ただ実話をもとにしながら、こういう演出をするというところが、この監督の語り口なのだとおもうと、それはそれで壮絶なものがあります。僕がSNSで気軽に事件の感想を述べながら自己嫌悪に陥るのと同じような意味合いで、この軽さはなんなのだろうと、考えました。他人に銃口を向ける時、他人が起こした壮絶な事件について語る時、こういう気持ちを、自分も持つこともあるだろうか、この心の浅さが、この事件の犯人たちの中にもあったのだろうか。。。色々と考えてみたけれど、結論はよくわかりません。小生がいちばん好きだったシーンは包帯ぐるぐるで近くにいる清水葉月さんに欲情するシーンです。清水葉月さん、とても可愛かったです。この映画はあまり好きじゃないけれど、小林監督の独特の感性には興味を持ちました。監督は現在、いただき女子りりちゃんの映画を撮っているみたいなので、そちらもチャンスがあれば拝見してみたいです。
スカーフェイス
- ブライアン・デ・パルマ監督 1983 つぶあん的評価 79
大好きな映画で、3回目の鑑賞です。
小生はブライアン・デ・パルマ監督の大ファンですが、特に好きな作品は『ミッドナイト・クロス』『ファントム・オブ・パラダイス 』『フューリー』の3本です。
本作も、とても好きなのですが、なんというか前述の3作と比べると大衆向けにヒットを意識して作られており、デ・パルマ独特の身悶えるような狂気や強い孤独感、強い偏執を感じさせる演出は控えめになっています。そこのところが、デ・パルマ・ファンとしては不満なところです(笑)
もちろん、本作『スカーフェイス』も大好きな作品で、これからも何度かは再見することになると思います。アメリカ車を乗り回すシーンや、アル・パチーノが着ている悪趣味なスーツや、ドラッグの取引で一財をなして作った黄金のテレビ台など、セットや衣装のディティールが素晴らしいなと思っています。
コメント