2006

乞胸 江戸の辻芸人  塩見鮮一郎さん

江戸幕府や地方の諸藩に重用された武士の方々のうち、江戸の太平の世相や、それに続く明治維新への大きな流れのなかで職を失った人々は、浪人として江戸に流れました。幕府や諸藩は失業対策を為さないままに、彼らに早く職に就くように促すような御触れを出す...
2002

森達也さん A―マスコミが報道しなかったオウムの素顔

学生の頃、読んだ本を古本屋で見つけたので、購入し、再読してみました。森達也監督が作っているオウムのドキュメンタリーが、ただオウムという素材を通して、中立的な視線から日本人のメンタリティを描こうとしただけなのにオウムを擁護していると誤解され、...
1974

ハーメルンの笛吹き男

ハーメルンで実際に失踪が起こった、そのこと自体に証拠のようなものはもとより存在しないけれど、子供たちの大量失踪、もしくは大量死が、間違いなく起こったことは事実であるとされています。その後、歴史に記されない人々の煩悶を背景に、伝説は人々の口...
2020

つげ義春日記

つげ義春さんの傑作「ねじ式」を先日、再読した折、先生の日記が是非とも読みたくなって購入しました。カメラいじりや、喫茶店の静かな空間を好むつげ先生ならではの繊細な感覚や、対人関係や世相への鋭利な視線と批判が、全編に横溢した素晴らしい一冊になっ...
1998

赤目四十八瀧心中未遂 車谷長吉さん

大きな時間の流れと、その流れに翻弄される人間の弱さや儚さを感じさせる作品でした。感覚と言葉との距離の取り方が独特で、なかなか個性的な文体になっていると思います。自分とは全く関係ない他人が街中に描いた絶望を感じさせる落書きとか、冷蔵庫の中に入...
2006

暗渠の宿 西村賢太さん

先日、作品を読んだばかりでしたので、急逝の報に驚きました。目先の欲望に走り、社会を軽蔑し、その結果、襲われる生きにくさに翻弄される人々の、酒と草臥れた劣等感の匂いを常に漂わせた上辺の薄汚さ、混濁した日常の描写よりも寧ろ、その奥深くにある西村...
1997

ゲーム Super 27 Years Life 飯野賢治さん

ゲーム作家の飯野賢治さんの作品は、Console gameはDの食卓1本のみしか知らず、あとはi phoneで一時期Newtonicaで少し遊んでおった程度のライト・ユーザーなのですが、昔から私は、氏の人柄や雰囲気の大ファンでした。急逝され...
2011

苦役列車 西村賢太さん

Kenta_Nishimura 芥川賞受賞当時、中卒の方が受賞されたということで話題になり、小生もそれなりに興味を持って読んだ記憶があるが、今回、購い求めて再読しました。 長く続ける気のないバイト先で、フォークリフトの免許を取...
2021

『家族不適応殺』インベカヲリ★さん

家族不適応殺 インベカヲリ★さん
2010

古代ポンペイの日常生活

本村 凌二さん 講談社学術文庫 2010年 古代都市ポンペイに残っている落書き(グラフィティ)から、人々の心理の遍歴を読み解く試み。リドリー・スコット監督のとあるハリウッド映画の題材にもなっている、当時の残虐な格闘技に関する...
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