生ポのポエムさん 吠夢さん

2018

本作は、漫画家として活動されていたがヒット作に恵まれず、出版不況のなか掲載誌の休刊なども重なって困窮されてゆき、更に重度の糖尿病も発覚し、生活保護を受給されるまでの顛末を描く、本編は23ページほどの短い漫画ですが、本作を執筆中に逝去され、ゴミ屋敷になっていたアパートのゴミのなかから、編集者の執念によって発見された遺作ということであります。ネットの紹介記事で興味を持ち、ダウンロードして、鬼気迫るものがあり、すでに10回くらい読んでいます。吠夢さんは得意にされていたホラー漫画も、なかなか面白いのですが、こういうエッセイ風漫画の才能があったと思います。日常の、ふとした瞬間の、マネキンのように冷たい他人が見せるふとした表情の怖さや、日常の、ふとした瞬間の、膝から崩れ落ちるような不安感を鋭敏に感知されていた方なので、1コマ1コマの切実さがとても心に沁みました。もっとたくさんこういう漫画を描いてほしかったです。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

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