悪徳 ロバート・アルドリッチ監督

1955

ロバート・アルドリッチ監督のThe Big Knifeを鑑賞しました。自由奔放に世界の最もドラマティックな最前線を駆け回るような、のちのちのアルドリッチの作品からは想像もつかないintensiveな密室劇でした。さまざまな制約に追い詰められた、とある大御所俳優の物語。どうやら、お金があって名声があっても、幸せではないようです。ハリウッドの裏面を見せる映画ではあるが、自分の立場を利用してソツなく自分の利益を得る人間は、どこの世界にも大勢います。広い家なのにカメラの角度を限定し、追い詰められてゆく主人公の視野の狭さが画面に重なる。バーに並んだ酒瓶の無機質さが印象的。のちのちのアルドリッチの作品にあらわれる逃げ場がないようなカメラワークの萌芽があらわれています。アルドリッチ・ファンなら抑えておいて損はない、地味ながら心に残る逸品でした。

コメント

Copied title and URL