オススメ動画(3)Slipknot – Spit It Out

1999


Paul GreyJoey Jordisonはスリップノットの創世記のオリジナル・メンバーですが、すでに夭折されています。お二人は、私にとって、若い頃のアイドルだったので、お二人の早すぎる死が、衝撃的なニュースだったこと、昨日のことのように思い出します。
Paul Grayの謳いまくる、縦横無尽に、心を熔かすようなベースと、Joey Jordisonのパワフルで繊細で、時として過剰なドラミングがなければ、スリップノットというバンドは誕生しなかったでしょう。
スリップノットというバンドがどれほどすごいインパクトを世界に与えたか、そのサウンドが当時、どれほど画期的だったか、多分いまの若い人たちには伝わりにくいと思うのですが、初期のスリップノットの音は、当時、生きることが苦痛でしかなかった若い頃の小生にとって、本当に親密で優しい存在でありました。聴いていて、これほど、ぴったりした、落ち着いた気持ちになる、サウンドは他にはなかったのです。
大人になったら生きることは楽になり、スリップノットなど聴かず、安楽椅子などに座って、ワインでも傾けながら、モーツァルトでも聴いているかと思いきや。。。
実際のところ当時から聴いていたモーツァルトも、今でも好きですが、それはそれとして、いまだにスリップノットを聴いて、心の内奥の塵芥に行き場を与えてやらないと、しようもないという日々で、まったく成長がない。。。
当時の友達との付き合いは、今では一切なくなってしまった私ですが、当時、好きだった音楽を今でも毎日のように、ガンガン聴いています。様々な物事を失ってしまった私ですが、いつまでも変わらない、「永遠に良いもの」が少しでも、自分の中に当時と同じ形で遺っていることは、不幸の多い人生だった私にとって、数少ない幸福の一つなのかもしれません。
私はSlipknotの初期の2枚のアルバムが特に好きで、その2枚のアルバムには、好きな曲しかありませんが、このSpit it Outなど、ただ激しいだけの音楽じゃないんですね。優しさが溢れています。こういう曲をじっと聴いていると、心が、静かになる。落ち着く。安らぐ。。初めて聴かれた方は、ただ煩いだけじゃないかと思われるかもしれないけれど、ずっと聴いているうちに、メンバー1人1人の限りない歌心が、心の則を超えて溢れてくる瞬間がある筈です。
今になって改めて聴いてみると、その音楽の慈悲深さに驚くと共に、私自身、teenagerだった多感な時期に、こういう素晴らしいバンドに出会えて本当に良かったなと思います。
皆様も機会があればぜひ聴いてみてください。
ちなみに、この曲のミュージック・ヴィデオはスタンリー・キューブリック監督の映画「シャイニング」のパロディです。こちらも様々なヴィデオやネットのmemeの元ネタになっており、大変に面白い映画です。

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