NetflixでDahmer – Monster: The Jeffrey Dahmer Storyを拝見しました。連続殺人鬼を演じたEvan Petersの演技が素晴らしく、ダーマ―の孤独感や、箍が外れて戻れなくなってしまい、現実が何処から何処までなのかわからなくなるような、自分のいる地点がだんだんわからなくなってゆく不安感や恐怖感がよくあらわれていました。
音楽も素晴らしいのですが、なんとNick Caveが作曲されていたようです。無頼なロック音楽のイメージが強い方だったので、こういう重厚なドラマの音楽を担当されるイメージがなくて、とても意外な人選で、Netflixパワーを感じました(笑)
クエンティン・タランティーノ監督のOnce Upon a Time in Hollywoodや、
ラス・メイヤー監督の、小生が大好きなカルトな傑作ワイルド・パーティ(Beyond the Valley of the Dolls)のように、実際の事件をどこか彷彿とさせながらも、明らかな創作・脚色・劇画であれば、本作のように批判を受けることは、まずないのでしょうけれど、本作は遺族から、悲劇を金儲けの道具にしていると批判を受けています。
–Family of Dahmer Victim Angry at Netflix Over Series (newser.com)
本作の最後で牧師から罪を許されるダーマーの姿を観ていると、決して許されない罪を許されるという矛盾を孕みながら、そうした矛盾を抱える存在こそが人間であり、そうした矛盾を抱える存在である人間を、克明に描いた上質なドラマだったと思います。
コメント