山田花子さんの世界

日記

さっき、駅前で宝飾品やブランド品の買取屋のティッシュをもらい、「ご不要なものありましたらお持ちください」と言われ、1メートル離れてから小さな声で「私が不要です」と言った。
電車の中でも酔っていると4にたい、4にたい、はやく4にたい、と小さな声で呟いてしまう。
最近、オフィスでも、ひとりの部屋のなかでも、だれかがいてもいなくても、関係なく早く4にたい、と小さな声で呟いていることがある。
形骸を断ず、という江藤淳さんの死ぬ前の言葉を最近よく思い出す。
もっとも、彼のばあいは60中盤で病気になってからなので、十分に生きたと言えるだろう。
彼と違い38で生きる希望をすべて失った私。
目だった傷や汚れあり 全体的に状態が悪い 買取希望価格は。。20円。。
X を見ていたら、漫画家の山田花子さんの命日が昨日と知った。
たしかに暖かくて空気が爽やかで、なにか世界のすべての音が止まっているような気がする瞬間が時折訪れ、20秒も遅れて鳥の声が聞こえてきたり、する。そんな五月の空気のなかでは、何か張りつめて抑圧していた開放、救済への扉を、思いがけず開いてしまうということも、ありそうな季節だなとおもう。
山田花子さんの漫画は、身も蓋もないというか、話らしい話がない。
ところが山田さん(書き手)と読者(読み手)から見ると、この世界一般の成り立ちこそ身も蓋もないのであって、一般的に常識とされている世界のほうがおかしいということになるのかもしれない。世界に疲れ果てた僕にとっては、理にかなっていて落ち着く、と思えるのはこの世界ではなく、寧ろ山田花子さんの描く世界なのかもしれない。
今夜は本棚をさがして山田花子さんが描く、まともな世界を思い出すことにしよう。

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