カイジ ファイナルゲーム

2020

超人気の漫画シリーズ『カイジ』映画化の第三弾を鑑賞。

前二作がとても面白かったので、期待して見たが、やや期待外れの印象でした。映画内に出てくるゲームや、そのゲームを絡めた脚本の作りが、前二作と比べ、少し作りが弱いように感じられました。前二作にあったような濃密な雰囲気や、相手を「出し抜く」という感じの爽快感が、やや薄れてしまっています。

しかしながら相変わらず、やや荒唐無稽でありながら、何処か現在の日本の暗い世相を投影した、薄ら暗い世界観や、主演の藤原竜也さんのアクが強い(アクが強すぎて、しばしば、物真似芸人のネタにされている)演技はたいへん魅力的で、べつに退屈することもなく最後まで、のんびりと堪能することが出来ました。

藤原さん以外の演者の方々も、けっこう豪華で、カイジに協力するミステリアスな女の子を演じた関水渚さんは、少しイノセントな気配を漂わせていて可愛かったです。そうして天海祐希さんも、辺りの気配を攘うような流石の大女優の貫禄で、颯爽と現れただけで、暗い意地の悪い女の役柄なのに、とつぜん画面が華やかになりました。そうして派遣会社の強欲社長を演じたベテランの吉田鋼太郎さんも、藤原竜也さんと、たいへん強い絵をぶつけあっており、もはやゲームの勝負か、クセの強さの勝負なのか、よくわかりません。クセの強さで云えば二人だけだと引き分けだったけれど、生瀬勝久さんが駆け込んできたタイミングで、カイジ側の辛勝になるような按配だったと思います。

一本だけ誰かに勧めるなら迷わず、第一作を推してみたくなる三部作だったけれど、前二作のファンの方なら、仕上げに観ておいて損のない作品だと思います。

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