ウクライナやスーダンから遠く離れて”War Horses”を観る

2011

昨日はスピルバーグ監督の”War Horses“という映画を観ました。舞台が第一次世界大戦で、英国の子供向けの小説が原作であるため、おとぎ話調ですが、当時の服装や家並みの雰囲気など、リアルに再現されている部分もあって、なかなか面白かったです。全編、おとぎ話調とはいえ、シリアスな雰囲気は一貫していて、中でも脱走を試みた少年が銃殺されるシーンは、なかなか印象的でした。もちろん、英国軍側を善、独軍側を悪だとか、そういったわかりやすい二分法で描かれているわけではないため、その場を走らざるを得ない一人ひとりの名伏せがたい感情のひとつひとつに、思いを馳せました。馬が夜の戦場を駆け回るシーンの、闇雲に走るしかない悲しみのようなものが、心に沁みました。スピルバーグは”1941“や”宇宙戦争“,”シンドラーのリスト“や”プライベート・ライアン“など様々なアプローチで戦争を描いています。私はこの4本はすでに拝見していますが、本作”戦火の馬”だけ未見だったので、今回、見ることができてよかったです。本稿を書いている’23年の春、ウクライナやスーダンでは戦争が起こっていますが小生のような貧書生は、こうして暗くて狭い家で戦争の映画でも眺めて「戦争はよくない」と云っているしかないのでしょうか。ベトナムの映画の連作を撮るときに、パリから動くことができなかったジャン=リュック・ゴダールの苦悩を取り沙汰できるほど大層なものではないけれど、時折、自分の無力さに思いが至り、少し悲しい気分になってしまいます。

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