ミート・ローフのご冥福をお祈り致します。

『ロッキー・ホラー・ショー』を若い頃に30回くらい拝見し、劇中でMeat Loafが演ずるエディの生き様に、小生は、ずいぶん勇気づけられました。半端に生きて、薄穢い格好でいきなり現れて、誰にも愛されない酷い歌を歌って、そうしてしまいには彼を気に入らない他人に、気に入らないからという理由で、惨殺される、儚い人生　ーーー　小生は、彼の劇中の失敗したトリックスターの極北のような生き様に、小生の人生の、ひとつの真実を姿を影絵のように重ねながら生きて来ました。何よりも、地を這うような彼の偽りのない生き様が、その個性的な歌声に反映され、あのシーンの美しさを際立たせていたと思います。出演シーンの短さに比して、彼の凄まじい存在感は、あの映画の素晴らしさを間違いなく、百倍にも万倍にもしていたと思います。喩え今後5000年のうちに科学が凄まじく発達して、此処とは違う宇宙が4000個発見されようとも、Meat Loafが居ない『ロッキー・ホラー・ショー』が存在する宇宙なんて、只ひとつも存在しません。心より、ご冥福をお祈りします。