オススメ動画(1)Nirvana – You Know You’re Right (LP Version)

1994


Nirvanaのフロントマンとしてギター/ヴォーカル/作詞作曲で活躍し、伝説となったカート・コヴァーンは、忘れがたい数々の名曲を遺し、1994年にこの世を去りました。
You Know You’re Rightはカート・コヴァーンが逝去される直前の1994年の4月に録音され、2002年に発表されたNirvanaの未発表曲です。
“君は君が正しいということを知っている”と、呪詛のように繰り返されるこの曲には、誰よりも繊細だったカート・コヴァーンが感じていた、そこら辺にいる「正しい人たち」に対する嫌悪と違和感が表現されています。
誰よりも繊細だった故に、他人にはわからない理由で、自らの意思で世を去ることを選んだカート・コヴァーン。
彼の心を知ることはできないけれど、彼が遺した美しい曲を聴くことで、彼の心を想像することはできます。
カート・コヴァーンの飾らない、心の奥底を表現する素晴らしいヴォーカルは、心を捉えて離すことがありません。また、彼のギターも素晴らしく、ヴァースでアルペジオで伸びやかに詩想を広げ、コーラスで強いディストーションとノイズを掛けて爆発的に表現するというシンプルな表現は、Nirvanaの他の名曲でも採用されている、彼ららしい構成で、シンプルであるが故にその構成を実現することは難しく、(悪い意味ではなくて)Nirvanaの影響を受けていそうだなという音を聴くことは、たびたびあっても、「Niravanaみたいなバンド」というものが存在しないことが、その難しさを証明していると思います。
また、彼らの曲の特徴としてパワーコードといって、ギターの中で最も基本的な三音のみを弾く場面が多くなっています。普通はそれだけでは「物足りない」ので、他に様々な装飾音を用いるのですが、三音だけで、ものすごく繊細な表現を実現したことが彼らのサウンドの特徴のひとつです。
ドラムスはデイヴ・グロールで、繊細で力強く、寂しささえ匂わせるヴァースでの静かな佇まいから、コーラスに向かって激しく畳みかける美しいドラミングが魅力的。
ベースは クリス・ノヴォセリックで、カート・コヴァーンが刻むシンプルなギターリフを、単純で伸びやかなメロディーでサポートし、バンドの、暗く陰鬱な曲想の奥底に豊かに存在する、メロディアスでノスタルジックな優しさを伸びやかに歌いあげています。
Nirvanaというと小生にとっては、常に心の奥底に位置する大切な存在ですが、カート・コヴァーンが逝去されてから28年の歳月が経ち、彼らの楽曲を知らない若者も、最近は増えてきていると思います。
皆さんも機会がありましたら是非聴いてみてください。

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